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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「花・太陽・雨」PYG

私はいろいろなものが好きである。取分け、小さい頃から再放送などで親しんでいた「ウルトラマンシリーズ」にはかなりの思い入れがある。何せ、母子手帳にも「ウルトラマンに出てくる怪獣の名前だけは覚えるのが早い」と書かれていたくらいなのだから半端ではなかったのだろう(今でも多分そうなのだろうな)。
今回取り上げる曲は、何と唐突に「ウルトラマンシリーズ」に使われた曲である。まるっきりウルトラマンとは何の関わりもないようなこの「PYG(「ピッグ」と読んで下さい)」なるグループ、GSブームが終わり、暇になったメジャーなGSの残党のみなさん(ってヘンな言い方だが)によって結成されたバンドなのである。
面子はザ・スパイダース堺正章、井上順、ムッシュかまやつら今も活躍しているタレントを多く輩出したグループ)からギターの井上堯之とキーボードの大野克夫ザ・タイガースからはヴォーカルの沢田”ジュリー”研二とベースの岸部”サリー”おさみ(現・岸部一徳)、ザ・テンプタースからはヴォーカルの萩原”ショーケン”健一とドラムスの大口広司の都合6人。とは言え、GSブームが完全に去った後でメジャーなGSのメンバーたちで結成されたバンドというのは、言わば”旧世代の遺物”というようにしか捉えられず、その活動期間は非常に短命なものとなってしまった。
何ゆえこの曲が「ウルトラマンシリーズ」の中の一編(「帰ってきたウルトラマン」第34話「許されざるいのち」)で使われたのかは実はあまりよく分からないのだが(とは言え、この「帰ってきたウルトラマン」でも脚本を担当している市川森一はGSのメンバーたち、殊に萩原健一と交流があったと言われているから、大方そんな縁がきっかけだったのかもしれない)、物悲しいメロディとファズを掛け捲ったギターサウンドが何だか奇妙に画面によく合っているのが今見ても新鮮な感じを受ける。
この「帰ってきたウルトラマン」、第34話を最後とする4話分のエピソードはいずれも1971(昭和46)年11月に放映されたことから「11月の傑作群」と呼ばれているのだが、この話と第33話「怪獣使いと少年」は私個人的に凄く見ていて泣けてしまうエピソードである。