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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「ウルトラマンメビウス」ツッコミレビューVol.6

第6話「深海の二人」(脚本:川上英幸 監督・特技監督:高野敏幸)

マッシュマッカーンのヒット曲ではない。それは「霧の中の二人」…って言っても誰も知らないよな、きっと。
あらすじ:のっけからいきなりジャージ姿で砂浜を走るリュウとミライ…青春だなぁ、と思う間もなく磯の岩場ではあの謎の女が何やら海にエネルギーのようなものを放り込んでいるようだ。と…そこへ現れるセリザワ前隊長。人間技とは思えないような高速の肉弾戦が繰り広げられる。結局、前隊長は謎の女を取り逃がしてしまう。
砂浜に寝転がり、「ウルトラ五つの誓い」を暗誦するリュウとミライ。相変わらず青春模様なのだが遠くから見ているしかないセリザワ前隊長…その表情はどこか影が差していた。
さて、場面は変わって司令室。ミサキ総監代行の報告によると、前回(第5話)で都合3匹登場した岩石怪獣サドラは、他にもう一匹存在していたことが判明した。ところが…その一匹は解析画面から忽然と姿を消していた。驚く隊員一同…その中で、サドラの声を聞いていたマリナが何かの異常に気づいていた…彼女の常人離れした聴覚は、確かにサドラの断末魔の声を聞いていたのだ…。
再び場面は変わって、基地内部の射撃練習場。リュウがどうしても撃ち抜けない的を、いとも簡単に撃ち抜いてみせるマリナ…射撃の瞬間にのみ集中するべく、無駄な力を抜き去る構え(運動力学でいうところの「ゼロの構え」…分かりやすく言うと、現中日監督・落合博満や現西武の江藤智がよくやる、バットを持った腕を一杯に伸ばす動作ね)を理解できずにカリカリする様子のリュウに対し、「暑苦しいだけの熱血バカ」と切り捨てるマリナ…素直に感嘆するミライだったが、ジョージは既に気づいていた。彼女のずば抜けた聴覚が、そのまま彼女の弱点になりかねないことを…。
案の定、マリナは悩んでいた。エンジンの不調など、細かいトラブルを示す音の響きがどうしても耳に入ってしまい、アクセルを必要以上に絞り込んでしまう…バイクレーサーとして致命的な、「どうしても越えられない壁」に彼女はぶち当たっていたのだ。ミライに対して素直にそのことを話したマリナは尚もこう呟く。
「だからむかつくのよね…何も考えずに突っ走れる熱血バカって」
さて、司令室ではサドラが消えた映像の解析結果が出ていた。20000分の1の速度でスロー再生した所、サドラは別の生命体によって捕食されていたことが判明した。期せずして、GUYSは謎の生命体を二種類…謎の青いウルトラマン状の宇宙人と、これまた謎の捕食生命体と遭遇することになったというわけだ。「怪獣を食ってくれるなら悪い奴じゃなさそうだな」というリュウに対し「あの生命体からは悪意しか感じられない」と反論するミライ。
そんな折も折、トリヤマ補佐官から深海調査の指令が下る。海底の温度が異常な上昇を続けていて、ひょっとすると怪獣出現の前触れかもしれない、というのだ。早速その調査に向かおうとするリュウだが、ヘンな理由をつけて*1辞退するジョージ。仕方なくミライに声をかけるリュウだが、ミライの答えは実に意外なものだった。
「マリナさんともぐってください」
それを聞いて一気にトーンダウンするリュウ。無理もない(笑)。サコミズ隊長のゆったりしたトーンの「ガイズ・サリー・ゴー*2」に送られ、しぶしぶ出撃する。
いよいよ深海へ。ガンローダーで調査地点の上空まで来た所でコクピット部分のガンスピーダーが離脱、後ろに収納されていたミライ搭乗の予備のガンスピーダーが代わりにコクピットに収まる。のっけからいきなり小競り合いを始めるリュウとマリナ。全く持って大人気ない(笑)。
やがて二人は、妙な形の岩塊を見つける。怪獣の卵らしい。ひょっとして、異常な海底の温度上昇の原因はこれか?だが、テッペイの分析によると、この岩塊に向けて何やら熱が送られている可能性が強いという。その時、マリナの耳が異常な笑い声を感知した!あの謎の女である。彼女が送り込んだ熱でたちまち怪獣の卵は孵化、中から古代怪獣ツインテールが現れた。
リュウとマリナを救うべく、メビウスに変身し海底に潜るミライ。だが、ツインテールはしなやかに泳いでメビウスを寄せ付けない。意外に強敵だ!のみならず、海底流砂に巻き込まれ身動きできなくなるメビウスリュウはたまらずメビウスを援護しに向かうが、そこでもマリナはエンジン音の異常を聞きつけ中止を進言するがリュウは聞き入れない。
テッペイの調査によって、青く光る目のような部分が生物学で言う所の三半規管であることが判明、そこを攻撃するように指示を出すが、マリナはリュウに対してこう詰め寄る。
リュウ、無茶しないで!暴走や無理は勇気じゃない!」
「今この身を預けているマシンを信用しねぇでどうするんだ!信じて乗っているから、黙って身を預けられるんじゃねぇか!」
リュウも反論する。…やがて、エンジンの調子が元に戻った!
フォノンメーザー砲で見事に三半規管を撃ち抜くガンスピーダー。エビのように前を向いたまま後ろ向きに逃げようとするツインテールを、メビウスはメビウムシュートで撃破した。
マリナ「あたし…勉強になった」
リュウ「何が?」
マリナ「熱血も…時には役に立つんだなって」
リュウ「時にはって、何だよ…」
マリナ「何でもない!」
リュウ「何だよ、結局コケにする気かよ」
良かった良かった。かくて和解する二人…ところが!
謎の女がついにその正体を現した!何と、あの解析画像に移っていた捕食生命体そっくりの姿になったではないか!長い尾でメビウスを捕らえ、捕食しようとする生命体…それを追って現れたのは…あの青いウルトラマン(?)だ!
「ツ…ル…ギ…」
謎の生命体はそう呻くと、ツルギと呼ばれた青いウルトラマン(?)の攻撃をかわして消えてしまった…。
どうにか海底流砂を脱出したメビウスは、ツルギとにらみ合う…すぐに姿を消すツルギ。
(ツルギ…確かに奴はそう言った…)
果たして、ツルギは敵なのか?味方なのか?謎は深まる…。

・ツッコミどころ

  • ツルギの変身アイテム・ナイトブレスの剣のようなパーツは、接近戦用の武器にもなるし、ここからビームも出せます。何だか子供が大喜びしそうなアイテムだこと。
  • リュウとマリナというまるで水と油みたいなコンビの成り行きを心配するコノミタン(微笑)とテッペイくん(しかし、顔は笑っているところがw)。

コノミタン「あの二人、大丈夫かなぁ?」
テッペイ「何となく心配…(顔は笑っている)」
コノミタン「誰かさんがヘンなこと言わなければ良かったのに(とジョージを見る)」
二人「ねーっ!」
この時のジョージの気まずそうな表情が実にナイス(笑)。

  • 確か昔の怪獣図鑑によると「ツインテールはエビのような味がしておいしい」という物凄い一文があったりするのだが(もはや伝説のネタと化している感すらあります)、そういった部分を踏まえてか踏まえなくてか、海中を自在に泳ぎ回るツインテールは深海の脅威!と言っても過言ではないほどの強敵振りを見せ付けた。怪獣博士のテッペイくん曰く「海の中で戦ったら、おそらくグドンにも勝っていたかも知れない…」とか。
  • 今回のタイトル「深海の二人」。呉越同舟状態のリュウとマリナのことだけではなく、初めて正面から相対したメビウスと謎の青い巨人のことも表しているとは…深いタイトルだ。

さて次回は「ファントンの落し物」。食糧危機に悩む宇宙人が登場。そして、ツルギと捕食生命体の因縁が明らかに…?

*1:「海には海の掟というものがあるんだ…おそらく俺はその掟に当てはまりそうも無い、故にだ…」とか何とか言っていたw。

*2:GUYSの出撃の合図。「サリー・ゴー(Sally Go)」は「出撃」と言う意味で、おそらく「スーパーロボット マッハバロン(1974)」に登場する「マッハ・サリー・ゴー!」からの引用であろう。これに対する返答の「G.I.G!」は「Guys Is Green」、即ち「GUYS了解!」という言葉の略で、これは「キャプテン・スカーレット(1968)」の「S.I.G(=Spectram Is Green)」からの影響かと思われる。