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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「ウルトラマンメビウス」ツッコミレビューVol.7

第7話「ファントンの落し物」(脚本:赤星政尚 特技監督:菊池雄一 演出:梶研吾

宇宙人にも敵意のないヤツはいるんです。まずはコミュニケーションを…って、いきなりこんなヘンなのが出てきたら考えちゃうよなぁ…。


GUYSの宇宙防衛部隊・GUYSスぺーシーが正体不明の宇宙船を捕捉した。
トリヤマ補佐官は直ちに先制攻撃することを主張する。
まだ敵かどうかの判断もされていないのに、と言うミライだが、「宇宙人といえば昔から敵と相場が決まっておろうが!」
というトリヤマ補佐官の意見に押し切られてしまう。
無理もない。怪獣頻出期は、同時に侵略宇宙人たちの襲来時期でもあったからだ。
しかし、マル補佐官秘書が宇宙語による通信が宇宙船から送られてきたことを告げるや、
テッペイが色めき立つ。通訳をさせて欲しいというのだ。
翻訳機パン・スペース・インタープリタ*1でも音を上げるほどのひどい宇宙訛りに手こずりながらも、テッペイはどうにか翻訳を成功させる。それによると、あるものを探すのを手伝って欲しいので、6時間後に指定する座標に来てくれ、という。その通信が送られてきたのは5時間前。あと1時間をきっている。急がなければ!
直ちに現場に急行するGUYS男性クルー一同。そこに現れたのは…何とも奇妙な姿の宇宙人・ファントン星人であった。
その「あるもの」とは…彼らの非常食・シーピン929。
うっかり落としてしまったので探して欲しい、というのだ。
ファントン星の全人口が賄える分の食糧と聞いて、そんな大きなもの…?と不審に思うクルーたち。
だが、そのシーピン929は圧縮されてハンドボール大の大きさになっているという。
一方、トリヤマとマルはファントン星人をもてなすべく、食堂で食事を振舞うのだが、食事の前に踊ったり、食べたら食べたでそのとどまる所を知らない食欲にすっかり仰天してしまう。
テッペイを除く(テッペイは通訳を任されてるから、ね)クルーたちはてんでにシーピン捜索に乗り出すが、その行方は杳として知れない。
そんな中、超能力を使ったミライがシーピンを発見、GUYSクルーたちは無事にシーピンを回収した。
めでたしめでたし…とはならず、そこへ、謎の女が出現、シーピンを収納したケースに穴を開けてしまう。
空気に触れると、シーピンは際限なく膨れ上がってしまう。思わぬ事態にうろたえるGUYSクルー及び
報告を受けたトリヤマ&マル…。
しかし、サコミズ隊長がここで提案を出す。
GUYSスペーシーが用意したメテオールアイテム・重力偏向板を使用し、シーピン929を地球外へ運び出す作戦が実行されることになった。
しかし、謎の女の正体=宇宙きっての暴食魔である捕食生命体がそれを見逃すはずがない。シーピンを食べようとする捕食生命体。
一方、勝手に持ち場を離れるリュウ。セリザワの姿を見かけたからだ。懐かしさに声をかけるリュウ。だが…。
「誰だ?お前…」
というセリザワの冷たい反応に呆然となってしまう。
一方、シーピンを守るためミライはメビウスに変身、ボガールに立ち向かう。
重力偏向板の影響範囲内に入ったシーピンは加速、どうにかこうにか大気圏外に放り出される。
シーピンを食べ損ねた捕食生命体は今度はメビウスを喰らおうとするが、今度は青い巨人が現れる。
いきなり必殺光線を放つ青い巨人…しかし、捕食生命体は消えてしまう。そのまま街を破壊する光線!
後味悪い感触のまま、メビウスと謎の青い巨人は姿を消すのだった…。
さて、事件は無事に解決、ファントン星人は、お礼の印にシーピン100年分を送ると地球を後にした…のだが、
言い忘れた事があったらしく、戻ってきた。その言う事には…。
・あの青い巨人の名はツルギ。ボガールを追ってこの地球にやってきた。
・キエテ・コシ・キレキレテ。
これで正式に「捕食生命体=ボガール」「青い巨人=ツルギ」というレジストコード(認識名)が与えられたことになる。
さて、「キエテ・コシ・キレキレテ」とは?「君・ボク・友達」という意味の宇宙語で、
これによって、宇宙人にも敵でない者がいる事がわかり、ミライは安堵の表情を浮かべる。
クルーたちは(特にコノミタン)いつかメビウスに「キエテ・コシ・キレキレテ」と言える日が来ることを確信するのだった。

ツッコミどころ

  • 今回登場するファントン星人は、「ひどい宇宙訛り」の宇宙語で話す種族。何せ普段使う一人称が「うち」二人称が「あんた」おまけに語尾は「〜ある」。「〜ある」って…何だかよくある中国人の話し方みたいだ(笑)。そう言えば「ファントン」って語感は何となく中国語っぽいし。
  • シーピンを探す各隊員たち。マリナはバイクを使い、徒歩で商店街へ出たジョージは女性ファンからのサイン攻めに遭い(笑)、子供たちに聞き込みをしていたコノミタン(微笑)は、GUYSの帽子を子供たちに取られちゃうし(爆)、リュウは「星人が何で自分でさがさねぇんだ!」と逆切れするし…これまた各員のキャラ描写が際立ちます。
  • そうか、ミライくんはパエリアを知らなかったか…無理もないか、M78星雲人だし。
  • ファントンを最初は敵視していたのに、何だかんだ言って自分の半年分の食券を使って食事をおごっちゃうなんざ、やるねぇトリヤマ補佐官(笑)。とは言え、GUYS基地の食堂には寿司もあるのかな?なんて思ったり(よーく見ると寿司桶があります)。のみならず、ファントン星人の習慣である「食前の踊り(笑)」の振りを見よう見まねでやってみたり、ウェイトレスさんの携帯カメラに一緒に映ろうとしたり…ホントにお茶目なおっさんだ(笑)。
  • セリザワ前隊長の姿を見かけたリュウと、ボガールを止めるべくメビウスに変身するミライ。共に勝手に持ち場を離れていいのか?
  • ボガール目がけて光線を撃つツルギ。しかし、ボガールは姿を消し、光線はそのまま街を破壊…!

あまりない「ウルトラマン(のような宇宙人)が街を破壊する」というシーンに思わずショック…。
あ、前々作「ウルトラマンネクサス(2004)」では結構あったかな?

さて、次回は第8話「戦慄の捕食者」。
ミクラスがパワーアップ。ところがその過程でとんでもない騒動が…?
そして、ツルギとボガールとの間にはどんな因縁が…?
次回も見逃すな!

*1:ウルトラマン(1966)」でイデ隊員が 開発した宇宙語翻訳機。他のシリーズでは殆どの宇宙人が日本語でしっかり喋ってくれちゃっているため(笑)、あまり使われない発明品でもあった。って言うか、よくそんなもの引っ張り出してきましたね、赤星先生?