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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

第6話 おしりかじり虫、駄洒落でドツボにはまる

 「ほな、僕が駄洒落言うたら、助けてくれるの?」
 「面白かったら、な…その代わり、面白くなかったら…ふふふふふ…」
何や知らんけど、この”黒い三連星”とか言う”黒くてごっついザク様”たちは、三人揃って笑い方までごっつそっくりなんや。
たぶんこんな名前がついとるくらいやさかい、仲良しこよしいつも一緒の三人トリオ、仲もえぇのはよう分かるけど、ここまで仲がえぇと何かなぁ…。

 「なるほど、確かに虫だが…でかいな」
 「ほぅ、ラル大尉、お主もそう思うか?」
 「パッカード大佐、このような生き物、この目で見るまでは信じるに足らぬものとこのランバ・ラル、一応は疑っておりましたが、これほどとは…」
 「ほぅ、”青い巨星”に”ジオンの鬼神”のおでましか…」
ガイア大尉がそう言って一歩下がったんや。
 今度は青い”ザク様”みたいなモビルスーツが二体現れよった。
 「青い巨星」とか「ラル大尉」と呼ばれた方、色の濃い”ザク様もどき”は鞭を持ってる。
 「ジオンの鬼神」とか「パッカード大佐」と呼ばれた方、色の薄い”ザク様もどき”は右手に刀みたいな刃物(これ、ヒートサーベル言うて、言うたらヒートホークの刀版やな)、左腕にごっついガトリング砲みたいなもんをくっつけとる。これまたえらい物々しい出で立ちや。

 「この虫が何を?ガイア大尉」
 「何、こちらの軍用地に無断で入っただけなんだが…わざわざ大佐がお見えにならずとも…」
 「そうは行かぬ。軍用地が侵犯を受けたと言う事は敵の侵入を受けたも同じこと。ラル大尉、処分はお主に任せよう」
 「はっ…さて、この虫は一体何者なんだ?」
 「おしりかじり虫っていうらしいんです、ラル大尉」
オルテガ中尉がバズーカを僕に向けたままそう答えたんや。
 「おしり…この虫が尻を齧ると?」
 「そうらしいんですが…あ、こいつ、駄洒落が得意らしいんです」
縄を持った手を一度緩めてマッシュ中尉がそう答えたんや。
 「ほう、駄洒落とな…どんな具合だ?」
ラル大尉と呼ばれとる”ザク様もどき”…実はグフっていうらしいんやけど…は前に乗り出してきたんや。
 「え?言っていいの?」
 「おい、口の利き方に気をつけろ!仮にも中央アジア方面軍指令と同ゲリラ戦部隊隊長に対して!」
ぐいっとマッシュ中尉が縄を引っ張ったんや。
 「いたい〜!やめて〜!」
 「あまり強く引っ張るな。痛がっておる…どうだ?聞かせてくれんか」
ラル大尉は深みのあるえぇ声でそう言ったんや。
 「ほな…『♪あの娘をペットにしたくってぇ、日産するのぉはパッカード♪』」
 「パクリじゃねーか!!!」
 「ワシを侮辱する気か!!」
 「えぇい、おもしろくない!やはり所詮は虫けらだ!これでも喰らえ!」
言うが早いが、ラル大尉は烈火のごとく怒ると持っていた鞭(これもヒートロッドって言うらしいんやけどな)で僕をしばきよったんや。この鞭が何とまぁ電気仕掛けで痛いなんてもんやない。
 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
 「えぇい、変な声で泣きおって!」
僕の大きな口にパッカード大佐のガトリング砲が向けられたんや…。
(つづく)