終わりと始まり。
まさかこんな時期に終わりと始まりの両方を体験しようとは思わなかった。
まずは「終わり」の方。
丸5年間勤めた介護施設を辞めることになった。
ワシも無性に腹に据えかねる利用者がいて、その利用者に手を上げてしまったというのがその原因なのだが…だとしたらワシは懲戒解雇ということになろう。そうではなかった。
ここからが肝なのだが、施設にも後ろ暗いところがあるのが盆暗なワシでもわかるくらいなので、ワシはひとまず「自宅謹慎→依願退職」という体で辞めることになったということになる。
要は、ここの施設長がワシを毛嫌いしており、何とかして辞めさせたかった、ということなのである。まぁ、ワシだってこんなヤツ何百万積まれたって好きになんかなってやらないが。
こいつが施設長になってからこの施設の功労者とも言うべきベテラン職員が次々に辞めて行って、ユニット勤務の職員たちは汲々としながら日常業務に追われている始末。とかく経費削減だ何だかんだと訳の分からない理由をつけては仕事のやり方にまで口をさしはさんでくるくせに現場の視察なんか一切やらない。
こんな奴が頭になった時点で終わったわ。辞めさせてくれてありがとう。そこは、いや、そこだけは見る目があったんだねあんた。
せいぜい誰かに刺されないように気を付けた方がいいよ。夜は月夜ばかりじゃないのだから。
…以上で言いたいことは全て言ったので(ホントはまだ言い足りないけど、別に聞きたくなんかないでしょ?)、次は「始まり」について。
アンサンブルさいたまという文化事業の一環に参加することになった。12月にモーツァルトの「レクイエム」をさいたま芸術劇場で演奏することになったのである。
その練習が今日から始まった。高校の部活、いや、OBとして参加した合唱部の定期演奏会以来か、声を出すのって。でも楽しい。何せモーツァルトである。音の重ね方がホントに素晴らしくて、このパートとこのパートを重ねた時の化学反応に近い和声感たるや音楽好きにはたまらなく良い。
…あまりに素晴らしすぎて、一曲目の「入祭唱」が終ったあと間髪入れずに二曲目の「キリエ」に入るとは思わなくて、「え?」と暫し固まってしまったのだが(苦笑)。
まぁ何にしろ、好きなことをやっている時というのは、嫌なことを忘れていられるから価値あるものなのだということである。
…あのバカには一生分からないだろうけど。