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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「あなたが欲しい」ザ・ハプニングス・フォー

北九州出身のラテンバンドで、天下の渡辺プロ所属で…というと、前回紹介した「里見洋と一番星」の前々身バンド「レオ・ビーツ」とかぶってしまうが、何せほんとにそういうバンドなのだから仕方が無い、それがこれから紹介するザ・ハプニングス・フォーである。
GSとしては珍しく(いや、バンドとしても珍しいというべきか)ギターがいない(サポートメンバーにギターの人はいたのだが)バンドとして知られ、その個性的な音楽スタイルで結構コアなファンを獲得したバンドである。現在も新作アルバムを製作したり定期的にライブを行ったりするなど未だその活力は衰えを知らないというから凄い。正に「生涯現役」を地で行くバンドなのである。
メンバーはトメ北川(ヴォーカル、パーカッション、フルート)、クニ河内(ピアノ、オルガン、コーラス)、ぺぺ吉弘(ベース、コーラス)、チト河内(ドラムス)の4人。更に、サポートメンバーと言うよりはもう5人目のメンバーといった方がよいかもしれないシノ篠原(セカンド・キーボード)という顔ぶれ。現在はそれぞれ、温泉の仲居やらアレンジャーやらスタジオミュージシャンやら、本業の方が忙しい方々なのだが、それでもライブで顔を合わせて一緒にステージをこなすと完成度の高いパフォーマンスを繰り広げるという素晴らしい方々なのである。
その彼らのデビュー曲がこの曲(1967年11月リリース)。今もステージで歌われ続ける正に名曲と言っていい曲である。片想いしているときに聞くとツボにはまってしまい大変なことになるので、好きな人に想いを中々打ち明けられない人は心して聞くように(笑)。
何に限らず、ハプニングス・フォーの作品は殆どクニ河内が作詞・作曲を手がけているのだが、この人の「片想いの男の気持ちを表現する言葉」の引き出しの多さはプロの作詞家のレベルを優に超えて余りある。「何故?」「君の瞳を見つめて」「あなたの側で」「命短し」などなど、この他の作品も片想い中に聞くと泣けてくるやら頷いてしまうやら…という傑作揃いである。恋愛を諦めた方ならば何の影響もされずに聞けること請け合い…といいたい所だが、果たして本当にそうなのかどうかの保障はしかねる。