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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「ウルトラマンメビウス」ツッコミレビューVol.9

第9話「復讐の鎧」(脚本:長谷川圭一 特技監督:菊池雄一 演出:小原直樹)

謎の青い巨人・ツルギの謎がいよいよ明らかになる。そして、前回倒されたはずのボガールが…一体どうなる?

前回の続きから。
「止めてくれ、セリザワ隊長!」
リュウの叫びに一瞬攻撃の手が止まったツルギ…その隙をボガールに突かれ、ダメージを受けてしまう…しかし、メビウスのメビウムシュートによりボガールは爆破四散して果てた…。しかし、ダメージの受けすぎからかそのまま姿を消してしまうツルギ…。
戦いを終え仲間の元へ戻ろうとするミライは倒れているセリザワを発見、解放しようとするが、そんなミライにセリザワがナイトブレスを武器に挑みかかった!
「俺に干渉するな!」
何故と問うミライに、ようやっとセリザワ=ツルギは自らの過去を話し始める…。

宇宙に浮かぶ奇跡の星、と称された星があった。その名はアーブ。ツルギは元々はM78星雲の科学者で、その星の奇跡の生命を調査していたのであった。しかし…そんな平和な日々は、宇宙の捕食者ボガールによって無残に打ち砕かれたのだ…。
悔しさに地面に拳を打ちつけていたその時、アーブの怨念が彼にとりついた…見る見るうちに暗い色合いの鎧に包まれたその姿は…。

その時から、彼はウルトラマンの心を捨てたのだ。

なるほど、彼が復讐に走った気持ちは分からないでもないのだが、人間を巻き込もうとしたのは間違いだ、というミライに、セリザワは「人間などアーブの生命に比べたら取るに足らない下等な生き物だ」と一蹴する。俺に干渉するな、ともう一度言い置いて、セリザワは姿を消すのであった。

一方、司令室ではとんでもない事態が発覚していた。ボガールが生きていたのだ。メビウスのメビウムシュートを喰らった瞬間、まるで蛇が脱皮するようにボガールの本体は攻撃を免れていたのだ。
「この俺の目を欺くとはな…」不敵にジョージが呟く。彼のずば抜けた動体視力を持ってしても見切れなかったのだ。
しかも、ミサキ総監代行が驚くべき報告をもたらす。尚もボガールは怪獣を捕食し続けており、怪獣の体内エネルギーはその度にボガールの体内に蓄えられている。従って、少しでも衝撃を受けたら…大爆発を起こす危険性があるというのだ。その威力は、軽く関東一円が壊滅してしまうレベル!
まして、メビウスならともかく、ツルギがボガールに出くわしたら恐らく何のためらいもなくボガールに対してナイトシュートを撃とうとする筈…。
「俺が止める!」
そう叫んだのは、リュウであった。ツルギ=セリザワを止められるのは自分しかいない…そう覚悟していたのだ。そのまま出てゆこうとするリュウは、止めようとするジョージと小競り合いになる。止めに入ったコノミタン(微笑)を構わず突き飛ばすリュウ(おい、何てことするんだ)。

「何をするんですか!どうして僕たちが争わなくちゃならないんですか!」と叫ぶミライに、リュウも叫び返す…「あの人(=セリザワ)に喜んでもらえなきゃ、GUYSで頑張る意味なんて俺にはねぇんだよ!」
今度こそ出て行ってしまうリュウ…ミライが後を追おうとするが、それを制したサコミズ隊長は後のミーティングをトリヤマ補佐官たちに任せると、自分が後を追うのだった。

またこの場所です…第1話に登場し、前回も出てきた「思い出の場所」。この先も多分結構出てきますので覚えておいてください。試験には出ませんが(をい)。
などというボケはともかく…リュウの前についにセリザワが姿を現す。しかし、姿はセリザワでも意識はツルギ…リュウの話が全く分からないまま会話は続く。
ついに炎のペイントが施されたメモリーディスプレイを見せるリュウ…さすがにこれで思い出してくれるだろう…目を閉じ何やら考え込む風情のセリザワ…しかし、悪意ある笑みを浮かべたセリザワはこう呟く。リュウが恐らく一番聞きたくなかったであろう言葉を…。

「そうか、分かったぞ…おまえ、この『入れ物』が最後に助けた人間だな…」

ここで第1話の回想シーン…ディノゾールに特攻をかけるセリザワの乗ったガンクルセイダー…爆風に吹っ飛ぶセリザワに飛来する謎の飛行物体…まるで「ウルトラマン(1966)」の第1話のハヤタ隊員と一体化するウルトラマンのような場面が展開される*1
リュウは驚き、「隊長の体を返しやがれ!」と怒り心頭でセリザワにつかみかかるが、躊躇無くセリザワ=ツルギはリュウを殴り、腹を膝で蹴り上げる。リュウは尚もトライガーショットを構えるが、
「お前に俺は撃てない!」と本心を見透かされてしまう。セリザワは迷うことなくナイトブレード*2から光の刃を放とうとするが…そこへ現れたのは…。

「君もその若者を傷つける事はできない…そうだろう、セリザワくん…いや、ツルギ…」
サコミズ隊長であった!何故彼がツルギだと知っていたのかは置いといて、何と絶妙なタイミング!
そこへ通信が入る。グドンツインテールが出現したとの報告に「心配するな。必ず合流する」と返してサコミズ隊長は通信を切った。「必ず合流する」というのは…リュウのことである。
一方、セリザワ=ツルギもボガールの気配を感じ取り、姿を消す。
「どうすりゃいいんだよ…俺は、一体どうすりゃいいんだよ…」と落ち込むリュウに、サコミズ隊長はこう問いかけた。
「たとえ短い時間でも、彼らと君が共に過ごした時間は、本当に何の意味もないものだったのか?」
…ま、話数にしてまだ9回…思い出らしい思い出なんて…あ、あった!第2話のガンフェニックスに炎のエンブレムをみんなでペイントする場面が!そして、ミライの台詞「『俺達の翼』で行くんです!」がリュウの胸に去来する…!
サコミズ隊長「早く行け…お前の仲間たちが待ってる」
リュウ「G.I.G!」
全てを吹っ切ったかのように応えると、リュウは立ち上がる!

さて、その頃、グドンツインテールは壮絶な死闘を繰り広げていた…お、ツインテールがやや押し気味だぞ、と思う間もなくボガールが出現、グドンを、ツインテールをあっという間に叩きのめして食べてしまった!メビウスがあれほど苦戦した怪獣をわずか数分で…ガンフェニックスのコクピットからその様子を伺って戦慄するマリナ。

GUYSも黙ってみているわけにはいかない!コノミタンとテッペイがボガールにぎりぎりまで近づき、ミクラスを出現させる。ボガールに有効な電撃を浴びせるミクラス…しかし、尚もボガールは脱皮してしまう!かなり恐ろしい形相のボガールモンスとなってパワーアップしてしまったのだ。
為すすべもなく、時間切れでミクラス消滅…ボガールモンスは勢いに任せてコノミタンとテッペイを襲撃!コノミタンは足を怪我してしまう。コラ、何てことするんだ私の心の妾に対して(←をい)。
そこへメビウス登場!ボガールモンスに殴りかかるが、こいつ結構固い皮膚をしているらしく、思うようにダメージを与えられない。
どうにか盛り返してゆくが、ボガールの体内に蓄積されたエネルギーのことを思い出したのか、とたんに攻め手が鈍るメビウス…そこへ駆けつけたのはリュウ!ガンフェニックスがもう出撃しているので、コアポッドであるガンスピーダーでの登場!
「へこたれんな、ウルトラマン!そんなでけぇ図体で何してやがる!この星を本気で守るつもりなら根性見せろぉ!」
その言葉に発奮したメビウスは猛攻撃を開始!殴る!蹴る!ヘッドロックでボガールモンスを締め上げる。あまりの猛攻にボガールモンスは口から泡吹いて悶絶している。
と…そこへツルギが乱入!いきなりナイトシュートを放とうとするツルギを止めようとするメビウス
ついに…両者はそれぞれのブレスレットから光の刃を伸ばし、激しく切り結ぶ!
そして、再びツルギはボガールモンスに対してナイトシュートを放とうとする!
「やめてくれ〜!」リュウが叫ぶ!
どうなる、地球!?
どうなる、ツルギ!?
そして…どうなる、メビウス!?

ツッコミどころ

  • ジョージとリュウの小競り合いを止めようとしてリュウに突き飛ばされ、ボガールモンスの攻撃を受けて負傷…何だか今回はコノミタン受難の回でした(泣)。何だよ何だよぉ、コノミタンが何をしたって言うんだぁ!(泣)
  • セリザワ=ツルギの語る回想の場面は、「ウルトラマンメビウス」放送期間中にインターネットで配信されていた「ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ」のサーガ1「アーブの悲劇」からの抜粋。この間「ニコニコ動画」にアップされていたんで全部見たんですけど、凄いですよ、この作品。

人間キャラがセリザワ前隊長以外出てこないんですもの。唯一の難点は、アーブの生命体の声を当てていたのが「茂原の恥(by太古先生談)」小倉優子だったこと。いや、最近はプロの声優じゃなくて話題先行で人気タレントを起用するケースってかなり多いですけど、誰でも使えばいいってものではないですね…あんまり下手糞なんでがっかりしちゃったんですよ。もっと上手い人いなかったのかな?

  • 「俺は…何も守れなかった…」その回想場面でのセリザワ=ツルギの台詞。第1話のリュウの叫びと微妙に呼応している気がします…。
  • グドンツインテールを二匹いっぺんに平らげ、満腹満腹と腹をたたくボガールの姿、滑稽なんだけど妙に恐ろしいですな。

さて、次回は第10話「GUYSの誇り」。
いよいよボガールとの死闘に終止符が?
そして、ツルギの運命は!?
ガンガンぶっ飛ばすから振り落とされるなよぉ!

*1:しかし、ウルトラマンは宇宙怪獣べムラーを追っている過程で、誤ってハヤタの乗る小型ビートルと衝突しハヤタを死なせてしまったエクスキューズがあったが、ツルギの場合は飽くまでもツルギ自身には過失はなく、「地球で行動するのに不可欠な人間の姿」そのものが欲しかったわけで、従って「入れ物」は別にセリザワでなくても良かったということが言える。たまたまそこで死に掛けていたセリザワがいたから彼の体を「入れ物」にしただけ、というわけだから、正義のためではないわけで、初代ウルトラマンのケースとは似て非なるものということになる。

*2:ナイトブレスに装着されている剣の形をしたパーツ。これを逆さにしてナイトブレスに埋め込むことによって変身する。