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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

「桜」コブクロ

あまり最近の曲を知らない私であるが、そんな中彼らのようなアーティストは大事にしなければならないな、と思う数少ないアーティストがコブクロである。
で、季節柄この「桜」という曲を選んで見たわけだが…考えてみると(いや、そんなに深く考えなくてもいいのだが)、何故か日本の”歌”(これは所謂「歌謡曲」だけでなく、和歌や唱歌なども含めた意味で使っている言葉である)には、桜を謳ったものがかなりある。
歌になりやすいのは分かる。何せあっという間に咲いてあっという間に散ってゆく、それが余りにも美しいからに他ならない。「桜の木の下には死体が埋まっている」という不吉なフレーズを残したのはせいぜい梶井基次郎くらいなものだろう(あれは小説だったか)。
愛もまたはかなく消えてゆくものだからこそ、失くしてはいけない…そんな当たり前のフレーズを実に情感たっぷりに歌い上げるヴォーカル、派手に流れすぎないアレンジ(それでもストリングスがかなり強めに鳴っている事は鳴っているのだが)、中サビからサビにかけての鮮やかな転調を孕んだメロディ…今時の歌とは思えないほど丁寧に作り込まれたこれらの要素一つ一つが、いつしかこの曲を誰もが認める大ヒット曲へと押し上げていった。現代の奇跡、と言っていいだろうと思う。
今度アルバムか何かで、彼らの作品世界を詳しく知って、そうしたらまた何か思いついたことを書きとめようかと思っている。