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ま、タイトル通り「あったってなくたって大してかわりゃしない(by古今亭志ん朝師匠)」blogであります(苦笑)。

ウルトラマンメビウス。

いやはや、本放送されているときはそんなに見ていなかったんだが、こんなにはまるとは思わなかった(ただ、たまに見ると結構面白かった事は事実だが)。今はYouTubeという便利なものがあるので、結構見られてしまうものなのである。
何というか、嘗てウルトラマンシリーズを見ていた人たちがその作品にこめられた思いを次代に受け継いでいっているかのような製作スタンスが端々に感じられ、きめの細かい演出と相俟って結構涙腺が緩んでしまうことが良くあるのである。
 「あぁ…ムルチ(註1)が出てきた…雨が降ってきた…(涙)」
 「優しさを失わないでくれ(註2)…だ、ダメだ、最後までまともに唱和できない…(涙)」
 「♪あーおーげばーとーおーとしー、わーがーしのーおーんー♪…(涙)」(註3)
 などなど、旧作を見たことがあると(いや、私の場合そんなにおぼえていなかった話もあるにはあるのだが)ひっかかるシーンがかなり多いのである。
註1:ムルチ
 ・「帰ってきたウルトラマン」第33話「怪獣使いと少年(脚本:上原正三 監督:東條昭平)」に登場した怪獣。メイツ星人によって封印されていたが、地球の大気汚染でメイツ星人が力を失ってゆくに従い封印を解いて暴れだす。最後はウルトラマンに退治されるわけだが、この話はむしろ、メイツ星人を迫害し、ついには死に至らしめてしまう一般民衆の無知蒙昧ぶりがかなり強烈なトラウマを見る者に残す問題作としての側面がかなり強い。因みに、ムルチとは、琉球方言で「魚」という意味なのだとか。この「ウルトラマンメビウス」では、その「怪獣使いと少年」のエピソードの後日談とも言うべき「怪獣使いの遺産」という話が製作され(第33話)、あの頃見たファンたちの間でかなりの反響を巻き起こした。まだ多分YouTubeでアップされているようなので、興味のある方は「怪獣使いと少年」とセットで是非御覧頂きたい。
註2…「ウルトラマンA(エース)」最終回「明日のエースは君だ!(脚本:市川森一 監督:筧 正典)」での、ウルトラマンエース最後の台詞。劇中、サイモン星人の子供に化けたヤプール(「ウルトラマンA」作品を通じて登場する異次元人。一度は滅ぼされるが、その後も執念深くエースを付け狙う)の残党の罠にかかり、子供たちの眼前でサイモン星人(に化けたヤプール)を射殺してしまったウルトラマンエース北斗星司は、その子供たちの前でエースに変身、ヤプールが繰り出した最強最後の超獣・ジャンボキングを激闘の末に倒した後で子供たちにこう呼びかける。この続きは…「…弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ…たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと…それが、私の最後の願いだ…」そしてエースは飛び去ってゆく…のだが、この台詞も「ウルトラマンメビウス」第44話「エースの願い」で見事に復活した(微妙に変えてあるが内容はほぼ同じ)。因みに、このネタは、「クイズサークルえどきゅう」会報にて連載中の「マッドエッセイスト参上!」連載50回記念のネタでもある。
註3…「ウルトラマンメビウス」第41話「思い出の先生」での一場面。中学校の先生とこの手の地球防衛チームの隊員を掛け持ちしていた異色のウルトラマンウルトラマン80(エイティ)」こと矢的猛がゲスト出演した回ということもあって、彼が担任を務めていた中学校の同窓会に怪獣が出現し…というストーリーとなった。そこで、怪獣が退治された後、クラス会(何と中学校の屋上でやっているんである!)をしていた嘗ての矢的猛の教え子たちが「仰げば尊し」を歌うシーンが出てくるわけなんだが…いや、涙でモニターが見えなくなって困った困った(泣)。
いやはや、些かマニアックな話になってしまって申し訳ない。